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「Document Management」で、法律文書を「探せる資産」に変える仕組み整える

法律事務所や法務部の仕事は、かなりの部分が文書をめぐって動いています。

LegalTech Media編集部

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「Document Management」で、法律文書を「探せる資産」に変える仕組み整える

法律事務所や法務部の仕事は、かなりの部分が文書をめぐって動いています。

契約書、覚書、交渉過程のメール、意見書、訴訟資料、社内規程、取締役会資料、過去案件のひな形。こうした文書は、作成された瞬間だけでなく、あとから探され、参照され、再利用されます。

ところが実務では、「最新版はどれか」「誰が編集したのか」「この案件の関連メールはどこか」「似た契約書は過去にあったか」といった問いに、意外と時間を取られます。

LegalTech Hubの「Document Management」は、まさにこの問題を扱うカテゴリです。文書管理ソフトウェアは、組織の文書を保存・整理するためのものであり、重要な機能としてバージョン管理、ファイル共有、アクセス制御が挙げられています。また、従来はオンプレミス型が中心だったものの、近年はクラウドへの移行も進んでいると説明されています[1]。

Document Managementとは

Document Managementは、単なるファイル置き場ではありません。

法律実務においては、案件やクライアントに紐づけて文書を保存し、適切な権限で共有し、編集履歴を残し、必要なときに検索できる状態を作る仕組みです。

一般的なフォルダ管理でも、文書を保管すること自体はできます。しかし、法律文書では「保管できる」だけでは足りません。誰がアクセスできるのか、どの版が正式なのか、メール添付でやり取りされた文書も案件に紐づいているのか、退職者や異動者の手元に情報が閉じていないか、といった点が重要になります。

Document Managementの役割は、文書を散らばらせないことです。そして、散らばっていた文書を、後から使える知識に変えることです。

どのようなサービスがあるか

Document Managementの主な機能は、文書の保存、検索、バージョン管理、アクセス制御、共有、メール連携、監査ログなどです。

特に法律事務所では、案件単位で文書とメールを整理できることが重要です。契約書だけでなく、相手方とのメール、ドラフトの変遷、コメント、関連資料が同じ場所にまとまっていれば、担当者が変わっても案件の経緯を追いやすくなります。

法務部の場合は、契約書管理やCLMと重なる部分もあります。契約書の保管、更新期限、契約相手方、金額、担当部署などを管理する場合は、契約管理システムの領域に近くなります。一方で、訴訟資料、規程、社内調査資料、法務相談資料まで含めて扱う場合は、より広いDocument Managementの発想が必要になります。

海外の代表的なプロダクト

LegalTech Hubでは、この領域の代表例としてiManage、NetDocuments、OpenTextが挙げられています。また、多くの組織がMicrosoft SharePointも利用していると紹介されています[1]。

iManageは、法律事務所やプロフェッショナルサービス向けのナレッジワーク基盤として、文書、メール、知識を安全に管理・活用するプラットフォームを提供しています[2]。単なる文書保管ではなく、案件に関する文書やメールを組織の知識として扱う方向性が特徴です。

NetDocumentsは、法律専門職向けのクラウドネイティブなDocument Management Systemとして、文書の検索、正しいバージョンの確認、中央集約された安全な共有・コラボレーションを支援すると説明されています[3]。クラウド前提で、リモートワークや外部との共同作業にも対応しやすい設計です。

OpenTextは、企業向けの文書管理ソリューションとして、情報を人やプロセスに接続し、規制産業向けの安全な大容量コンテンツ管理やクラウド型コンテンツ管理を提供しています[4]。法律事務所だけでなく、企業全体の情報管理・コンプライアンス文脈で使われることが多いプロダクトです。

Microsoft SharePointも無視できません。Microsoftは、SharePointのライブラリでバージョン管理を有効にすると、文書の保存、追跡、以前の状態への復元ができると説明しています[5]。専用のリーガルDMSではありませんが、Microsoft 365を使う組織では、現実的な文書管理基盤になり得ます。

どのようなときに導入を考えるのか

Document Managementを考えるべきタイミングは、文書が「ある」のに「使えない」と感じ始めたときです。

最新版がわからない。メール添付のファイルが正本のように扱われている。過去案件を探すのに時間がかかる。退職者のローカルフォルダに重要な資料が残っている。アクセス権限が曖昧で、誰が何を見られるのかわからない。

こうした状態では、文書は資産ではなく、リスクになります。

導入時には、いきなり全社・全事務所の文書を完璧に整理しようとしない方がよいでしょう。まずは、契約書、訴訟資料、社内規程、案件メールなど、どの文書群から整理するかを決めることです。

法律事務所であれば、案件単位で文書とメールを集約すること。法務部であれば、契約書と関連情報を検索・期限管理できる状態にすること。ここから始めるだけでも、日々の探す時間や確認ミスはかなり減るはずです。

日本の類似サービス

日本では、法律事務所向けの本格的なDMSというより、契約管理、CLM、社内文書管理、Microsoft 365活用が重なり合う形で導入されることが多いと思います。

たとえばHubbleは、Wordで編集・保存すれば自動でバージョンを管理し、前バージョンからの変更点を表示できる契約業務クラウドとして紹介されています[6]。契約書の最新版管理や変更点確認に悩む法務部には、Document Management的な価値が大きいサービスです。

LegalOn Cloudは、契約書を一元管理してリスクを可視化し、義務違反や更新漏れなどを防ぐことを掲げています[7]。契約書を保管するだけでなく、管理項目やリスクと結びつける点で、法務部向けの契約文書管理に近い位置づけです。

MNTSQ CLMも、契約や法務相談のドラフトから管理まで、契約ライフサイクルを一気通貫で支援するサービスとして展開されています[8]。大企業法務では、契約書そのものだけでなく、依頼、審査、締結、管理までの情報をつなぐことが重要になります。

まとめ

Document Managementは、目立つリーガルテックではありません。

ただ、文書が整理されていない組織では、AIもナレッジマネジメントも十分に機能しません。AIに質問する前に、そもそも正しい文書がどこにあるのか。過去の知見を活用する前に、その知見が検索できる形で残っているのか。

Document Managementは、法律実務の記憶を整える仕組みです。

文書を保管するだけでなく、探せる、戻せる、共有できる、守れる状態にする。そこが整ってはじめて、法律事務所や法務部の知識は、個人の手元から組織の資産に変わっていきます。

参考

[1]LegalTech Hub「Document Management」
[2]iManage
[3]NetDocuments
[4]OpenText「Document Management Solutions」
[5]Microsoft Learn「Versioning in SharePoint」
[6]Hubble
[7]LegalOn Technologies
[8]MNTSQ

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