トップ / 法務DX / 大量の電子データから不正の証拠を見つけるeDiscovery Software
大量の電子データから不正の証拠を見つけるeDiscovery Software
訴訟や社内調査では、メールやチャットなどの電子データから証拠を探す必要があります。eDiscovery Softwareの基本、海外・日本の代表的なサービス、導入場面を整理します。
LegalTech Media編集部
編集部

訴訟や社内調査で問題になるのは、契約書や議事録のような整理された文書だけではありません。
メール、チャット、添付ファイル、共有フォルダ、クラウドストレージ、業務システムのログ。実際の紛争や調査では、こうした電子データの中から、事案に関係する情報を探し、確認する必要があります。
LegalTech Hubの「eDiscovery Software」は、この領域を扱うカテゴリです。電子データを収集し、処理し、レビューし、タグ付けし、提出用に整理するためのソフトウェアとして位置づけられています[1]。
eDiscovery Softwareとは
eDiscoveryは、Electronic Discoveryの略で、訴訟や調査において電子的に保存された情報を特定・収集・レビュー・提出するプロセスを指します。
LegalTech Hubでは、eDiscovery Softwareについて、文書レビューや証拠開示のために大量のデータを扱うツール群として説明しています。多くの製品には分析機能が組み込まれており、Technology Assisted Review、感情分析、可視化分析などを通じて、レビュー対象を絞り込んだり、関連文書を見つけやすくしたりします[1]。
Document Managementが「文書を保管し、探せる状態にする」仕組みだとすれば、eDiscovery Softwareは「紛争や調査で必要な証拠を、電子データの山から防御可能な形で取り出す」仕組みです。
どのようなサービスがあるか
eDiscovery Softwareの主な機能は、データ収集、前処理、重複排除、OCR、検索、レビュー、タグ付け、提出用データの作成などです。
重要なのは、単に検索できることではありません。誰から、いつ、どのデータを収集したのか。元データが改変されていないことをどう示すのか。どの文書を関連あり・なしと判断したのか。こうした履歴を残しながら進める必要があります。
そのため、eDiscovery Softwareは、訴訟対応だけでなく、内部通報調査、不正調査等でも利用されます。電子データの量が増えるほど、人手だけで全件レビューするのは現実的ではなくなります。
海外の代表的なプロダクト
LegalTech Hubでは、この領域の代表的なプレイヤーとして、Relativity、DISCO、Everlaw、Logikcullなどを挙げています[1]。
RelativityOneは、eDiscoveryの各フェーズを単一のソリューションで扱うクラウド型プラットフォームです。Microsoft 365、Google Workspace、SlackなどからESIを保全・収集し、レビューや提出まで進められることを特徴としています[2]。
Everlawは、法律事務所、企業法務部、政府機関向けのクラウド型eDiscovery・訴訟プラットフォームです。LegalTech Hubでも、クラウドベースのeDiscovery and litigation platformとして紹介されています[3]。
DISCOは、クラウドネイティブなeDiscoveryソフトウェアとサービスを提供しています。公式サイトでは、法律事務所や企業法務向けに、証拠の検索、整理、管理、レビューを支援するソフトウェアとして説明されています[4]。
Logikcullも、比較的導入しやすいeDiscovery・Legal Holdソフトウェアとして知られています。電子文書の処理、レビュー、タグ付け、提出を支援し、訴訟や調査におけるディスカバリ対応を効率化するサービスです[5]。
日本の類似サービス
日本では、米国型のeDiscoveryが日常的に発生するわけではありません。そのため、純粋なeDiscovery Softwareというより、国際訴訟支援、デジタルフォレンジック、AIレビューを組み合わせたサービスとして提供されることが多いです。
FRONTEOは、AIエンジンKIBITを活用したeディスカバリ、デジタルフォレンジック調査を提供しています。公式サイトでは、企業の平時監査から有事対応までワンストップで支援すると説明されています[6]。また、FRONTEOは、データ保全から文書提出までeDiscovery全体を支援するサービスも展開しています[7]。
AOSデータも、eディスカバリー支援やフォレンジック調査を提供しています。国際訴訟における電子データの証拠開示や、フォレンジック初期調査を支援するサービスが紹介されています[8]。
まとめ
eDiscovery Softwareは、単なる文書検索ツールではありません。
大量の電子データを、収集し、処理し、レビューし、必要なものを提出し、判断履歴を残すための仕組みです。特にクロスボーダー訴訟や社内調査では、どのデータをどう扱ったのかを後から説明できることが重要になります。
日本ではまだ日常的な法務ツールというより、有事対応や国際案件で使われる専門的な領域です。ただ、業務データがメール、チャット、クラウドに広がるほど、証拠は紙ではなく電子データの中に残ります。
eDiscovery Softwareは、その電子データの中から、事案に関係する情報を見つけ、整理し、防御可能な形で扱うためのリーガルテックです。
参考
[1]LegalTech Hub「eDiscovery Software」
[2]RelativityOne for e-Discovery
[3]LegalTech Hub「Everlaw」
[4]DISCO Ediscovery
[5]Logikcull「What is eDiscovery Software?」
[6]FRONTEO「eディスカバリ支援」
[7]FRONTEO「e-Discovery Support」
[8]AOSデータ「eディスカバリー支援」
関連記事
Related記事に関するご相談・お問い合わせ
サービス導入・掲載・タイアップのご相談を承っています。


