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タイムチャージを「記録作業」で終わらせないTimekeeping

法律事務所の業務では、時間の記録がそのまま請求や収益に結びつくことがあります。

LegalTech Media編集部

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タイムチャージを「記録作業」で終わらせないTimekeeping

企業法務、M&A、ファイナンス、訴訟、調査案件など、弁護士の請求の根拠にはタイムチャージ制が使われていると思います。

ただ、時間の記録は後回しになりがちかもしれません。会議、電話、メール、調査、ドラフト、レビューが細切れに発生し、1日の終わりや週末に思い出して入力する。そうなると、記録漏れや内容の粗さが起きやすくなります。

LegalTech Hubの「Timekeeping」は、この時間記録を支援するカテゴリです。法律事務所やプロフェッショナルサービスにおいて、作業時間を正確に記録し、請求、コンプライアンス、収益管理につなげるためのソフトウェアです[1]。

Timekeepingとは

Timekeepingは、弁護士や専門職が案件ごとの作業時間を記録・管理する仕組みです。

単純に「何時間働いたか」を残すだけではありません。どのクライアントの、どの案件の、どの作業に時間を使ったのか。請求対象なのか、非請求作業なのか。クライアントの請求ルールに合っているのか。こうした情報を、請求や経営管理に使える形で残すことが重要です。

近年のTimekeepingツールは、手入力だけでなく、タイマー、カレンダー連携、メールや通話などの活動履歴からの入力補助、AIによる作業時間の推定、請求ルールのチェックなどを備えるものもあります[2]。

どのようなサービスがあるか

Timekeeping系のサービスには、大きく三つの機能があります。

一つ目は、時間入力の効率化です。タイマー、モバイル入力、カレンダー連携、過去入力の複製などにより、弁護士が作業時間を記録しやすくします。

二つ目は、請求明細の品質管理です。クライアントや案件ごとの請求ルールに沿っているか、説明文が不足していないか、請求対象外の作業が混ざっていないかを確認します。

三つ目は、収益性や稼働状況の可視化です。案件別、弁護士別、クライアント別に、どれだけ時間を使っているのか、見積りや予算と比べてどうかを把握します。Timekeepingは、請求書作成だけでなく、事務所経営のデータ基盤にもなります。

海外の代表的なプロダクト

代表例の一つがIntapp Timeです。Intappは、法律事務所向けに、正確で透明性のあるタイムエントリーを支援し、請求プロセスの迅速化、クライアントとの関係強化につなげる製品として説明しています[2]。また、AIを活用した時間記録やコンプライアンス検証にも言及されています[3]。

TimeSolvも、法律事務所向けの時間管理・請求ソフトウェアとして知られています。公式サイトでは、請求対象時間の記録、請求書作成、支払い回収までを支援するLegal Time Tracking & Billing Solutionとして紹介されています[4]。

OneAdvancedのTime Captureも、この領域の代表的なツールです。法律専門職向けに、メール、通話、会議などの活動を自動的に記録し、漏れた時間入力を補助する機能を提供しています[5]。

Bill4Timeは、時間記録、請求、経費管理、支払い、レポートを一つの環境で扱う法律事務所向けのTime & Billingソフトウェアです[6]。小規模から中規模の事務所では、Timekeeping単体というより、請求管理やPractice Managementの一部として使われることが多いでしょう。

どのようなときに導入を考えるのか

導入を考えるべきなのは、顧問先や案件が増えて、タイムチャージの記録が煩雑なタスクになっているときです。

また、弁護士が増えて、案件ごとの採算や稼働状況を見たい場合にも有効です。固定報酬や顧問料の案件であっても、実際にどれだけ時間を使っているかを把握しなければ、価格設定やリソース配分を見直せません。

企業法務部側でも、外部法律事務所の請求内容を確認する際に、作業内容と時間の粒度が重要になります。Timekeepingは、法律事務所のためだけでなく、クライアントに対する説明責任を支える仕組みでもあります。

日本の類似サービス

日本では、Timekeeping専用ツールというより、法律事務所向けの業務管理システムや請求管理システムの一部として提供されることが多いです。

LEALAは、法律事務所向けの案件管理システムとして、タイムチャージ管理から請求書の発行・送付までを一元化する機能を提供しています。カレンダーからの自動登録、ストップウォッチ、モバイル登録などにより、タイムチャージ登録漏れを防ぐことを掲げています[7]。

ロイオズも、法律事務所向け業務管理クラウドとして、タイムチャージ機能を提供しています。クリック操作で請求書やタイムチャージ明細書を作成でき、集計や書類作成の負担を軽減すると説明されています[8]。

LegalWinも、弁護士向け事件管理サービスの中で、作業時間の記録やタイムチャージ機能を提供しています[9]。日本では、Timekeepingは単独のSaaSというより、事件管理、案件管理、請求管理と一体で導入されるケースが多いようです。

まとめ

Timekeepingは、単なる作業時間のメモではありません。

正確な時間記録は、請求漏れを防ぎ、クライアントに説明できる明細を作り、案件ごとの採算や弁護士の稼働状況を把握するための基礎になります。

一方で、入力負荷が高すぎると定着しません。法律事務所にとって重要なのは、弁護士が無理なく記録でき、事務局やパートナーが確認しやすく、請求や経営管理につながる形にすることです。

Timekeepingは、時間を細かく監視するためのツールではありません。法律業務の価値を、請求と経営判断に正しくつなげるためのリーガルテックです。

参考

[1]LegalTech Hub「Timekeeping」
[2]Intapp「Intapp Time」
[3]Intapp「AI time tracking software」
[4]TimeSolv
[5]OneAdvanced「Time Capture」
[6]Bill4Time
[7]LEALA
[8]ロイオズ「タイムチャージ」
[9]LegalWin

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